「音羽わりぃ、俺たち先帰る!」
「え、あ、うん。バイバイ!」
楓をおぶって、俺たちは学校を出た。
近くにちょうどタクシーがあったから、それに乗った。
「和樹くんごめんね……。
音ちゃんとまた会えたのに……」
「いや、楓の体調の方が心配だ。
顔が真っ青だぞ?」
「そう、かな……。きの、せ、いだよ」
楓はさっきよりも蒼白になる。
元々、肌は真っ白だけど、さらに白くなってるから余計に不安になる。
病院について、楓の無事を確認してから家に帰った。
ベッドで寝るとき、ふいに今日の出来事を思い返した。
驚きだらけだったけど、それ以上ない喜びがあったんだ。
音羽に会えて、またあのメンツで笑いあえたのは、嬉しかった。
音羽のあの様子だと仲直り出来たみたいだし、俺が頑張ったかいがあったな。
俺もそろそろ親とちゃんと話しねーと。
ダメ元でとりあえずいってみっか。



