パチンっ────
「……え」
小野は音羽の頬を叩いた。
小野は涙目になってる。
「どれだけ、どれだけ……私たちが心配したと思ってんの!? 何にも言わないで留学してさ……そんなに私たち頼りないの?」
「……ごめん」
「ごめんだけじゃ、わけ分かんない!
……でも、無事で、楽しそうで良かった」
小野は音羽に抱きつく。
驚いたあとは、お互いに泣いてる。
小野のセリフは共感した。
そんなに頼りないのか? っていう言葉。
でも音羽がたくましくなって、楽しそうな顔してたら何も言えねーよな。
「泉さんのやつテレビで見たぜ!」
「あ、ありがとう……」
「俊輔! 音羽戸惑ってる! 空気読め!」
「「……プッ、あははー!」」
みんなが笑いあう。



