「……!」
前聴いたよりもはるかに上手くなっていた。
う、嘘だろ……。
上手くなったのはもちろん分かってたけど、まさかここまで上手いとは……。
指があっちこっち行ってて、めちゃくちゃ苦労してそうなのに、全然平気そうな顔してて改めて音羽はすごい奴だって感じた。
その後、何曲か音羽が弾いてると、ドアが開く音が聞こえた。
音羽はピアノを弾きやめ、ドアの方を見る。
「はっ音羽!? なんでいるの!?」
「えっ、千里……?」
お互いが驚く。
そんな姿が微笑ましくなると男子一同は思っただろう。
小野は音羽の方へ走り込んだ。
音羽に抱きつこうと思ったが違った。



