<和樹side>
楓が最近また痩せた。
楓は無理し過ぎたか、病状が悪化してしまい、薬なしでは生きられなくなってしまった。
俺はなるべく明るく楓に接しているつもりだけど、楓がそれどころではない。
「楓、そろそろ着くぞ」
優しくなでながら楓を起こす。
楓はきれいな涙を一筋流してた。
「楓!?」
「ん……、和樹くん……おは、よう」
「さっき泣いてたぞ? 夢でなんかあったのか?」
「ううん。ただ寝ちゃうと私死んじゃうじゃないかって怖くなるの。覚悟してたはずなのに……」
楓が泣いてた原因はそれか。
俺は強く楓を抱き締める。