時間になって、お母さんはじゃあね! と言い飛行機に乗っていった。
お母さんと5年以上まともに話せずにそんな急にやり直しても、時間はそう簡単に埋められない。
それはお母さんも分かってるだろう。
それでも、私はやり直したくて。
少しずつ、少しずつやり直せればいい。
私はそう思う。
飛行機が見えなくなってから空港を後にして、学校の方へ向かう。
気持ちはとても穏やかだった。
珍しく晴れた青空を見渡して、ラ・カンパネラを鼻歌で歌った。
ピアニストの道はあともう少し。
そんな嬉しい時が来るのはもう少しの話。