「音羽のことニュースで見とくわ!」
「え。私テレビに出ちゃうの?」
「あら、最年少が世界規模のコンクールで優勝したんだから当然でしょ! それに会見の時日本のテレビ局が見えたわよ!」
「……うそでしょ」
顔が蒼白になるのは自分でも分かる。
優勝は良いけど、自分が知らない間にテレビに映るとかびっくりなんだけど。
「いいじゃない! 音羽これでピアニストの夢一歩前進したじゃない! その調子で頑張って!」
「お母さんも仕事頑張って!」
「そういえば、音羽はいつ日本に戻るの?」
「えっとー……、年末年始らへんには戻れたらいいかなっていう感じ? 和樹たちにサプライズしたいから内緒だよ?」
「わかった。約束ね!」
「うん、約束」
私の小指とお母さんの小指をからめた。