「そっか……話してくれてありがとう。
やり直すとかそういうのじゃないけど、私もお母さんとまた話したかった」
「音羽……」
「まずはコンクール頑張るからさ、優勝じゃなくても応援、してね?」
「もちろんだよ……!」
お母さんなりにも苦しんだんだよね。
お互い様だね。
「音羽、ありがとう!」
私の大好きな笑顔でお母さんが言う。
「うん」
話が済んだことなので店内から出て、コンクール会場まで、また足を運ぶ。
1次予選突破の発表はそろそろ。
今からでもたのしみだ。
辺りを見渡すと、有澄奈が見えた。
私は有澄奈の方に駆け寄り、声をかけた。



