……って言っても次の日。
そのまた次の日にと毎日のように和樹くんは私の家に訪れた。
びっくりしたことはいきなり土下座されたこと。
「音羽は素直じゃねーし。……とはいえたまには素直だけど。だけど母ちゃんとどこか出掛けたいとかたくさん話してた! 音羽の母ちゃんが望んでなくても音羽は望んでるんです!!」
「だからなんでそんなこと言われないといけないのよ!?」
「好きなピアノを頑張ってる音羽は誰よりも輝いてるとか思わないんですか!? 音羽を産んだ母ちゃんならそのくらい分かるだろ!!」
いつの間にか音羽を会わせて下さいっていうより、私が音羽と会って和解してほしいっていう感じがした。
「そんな姿見て喜ばない親とかいないと思いますよ。俺はもうそういうの出来ないのでせめて音羽のところは和解してやって下さい」
「……!」
喜ばない親とかいない。
胸の中でその言葉が木霊した。
確かにあの時は、お父さんもいた頃は喜んだ。
じゃあ、今は?



