9月になって静かに音羽は旅立った。
私は留学のお金を払うために今まで以上に仕事に力を注いだ。
そんな中、家に和樹くんが来たんだ。
「あの……音羽はいつ戻ってくるんですか?」
和樹くんはほんの一瞬だけ躊躇ってから私に聞いた。
「さあ? 知らない」
「俺達音羽に会いたいんです」
「ってかあんた誰?」
今は名前知ってるけど、一応これが初対面。
「綾瀬和樹です。音羽と高校で仲良くしています。一通り音羽から今までの事情聞きました」
「それで?」
どうせバッシングとかすんでしょ?
「音羽と話して下さい! 俺に出来ることは何でもしますから!」
「する訳ないでしょ」



