めちゃくちゃなこの感情。



だけど、音羽のことは嫌いではなかった。



しかしある時から音羽が笑うようになった。


ピアノも弾くようになった。


あまりにも予想外のことで、ふと亡くなったお父さんを思い出してしまった。


「朝から気分悪いわ」



……だっけ? 記憶は曖昧だけどピアノ弾いてた音羽にそんなことを言った気がする。



それだけを理由で無意識に音羽の存在を遠回りに否定したことになるんだ。



自分のことなのに訳わからず、外に出て気分転換して、夜遅くに家帰った。



そしたら音羽がいない。



一瞬焦って、周りを捜すが心当たりがあるところなんて知らなくて、家で待機することにした。




しばらくして音羽が帰ってきて、顔をこそっと見ると泣いた跡で目が赤くなっていた。




そしてしばらくして、高校も決まって留学するって決めた時は私は寂しく感じた。



私は言葉にすることも出来なくて、沈黙は肯定だっていうからか音羽は了承したと勘違いした。



けど反対する理由なんてないからそのまま何にも言わなかった。