「和樹」 「どうした?」 「私今度コンクールあるから良かったら来なさいよ。無理だったら別にいいけど」 「そっか。またコンクール覗くからな」 「分かった。……その、応援してよね」 なんか無性に言いたくなった。 和樹の言葉が棒読みのように感じて、心がもやもやした。 和樹の視線はいつもあの子に向いてた。 今の状態でも分かりやすかったのに、私は気づきもしなかった。