俺は音羽のピアノが聴きたくて、パソコンや、会場の人とかで、コンクールについて調べた。
だけど、あいつの名前がなかった。
サッカーだって試合で活躍してるけど、親に見てもらいたいのが本音で。
あの時、俺が亡くなったらどんなに良かったか……なんてことも考えてた。
音羽のピアノを聴く機会を待ったまま、俺は中学生になった。
その時に音羽の名前を見つけて、また聴けるって喜んだんだ。
だけど、ピアノ弾く様子が一切なくて。
音羽は笑顔でさえ見えなくなってしまった。
2年になって、大分過ぎて、12月。
音羽は友達もいないまま。
音楽の授業で伴奏をやれる機会が出来た。
だから、出席番号隣の俺が音羽の名前をわざと推薦して、音羽がピアノを弾くのを待っていた。
「……!!」



