寝るときだってしばらく、コンクールでの興奮状態からかあまり寝れなかったことが多かった。
覚えていたのは、名前が泉 音羽だっていうこと。
俺はそれだけを便りにして、あらゆるコンクールを見に行った。
しかし、小学校2年の頃。
俺はある道路の信号を確認せずに渡ってしまい、事故に遭いそうだった。
だけど、3つ上の兄に突き飛ばされて、庇ってもらったんだ。
でも、そのせいで俺の兄が死んだ。
それからは俺は兄が好きだったサッカーを始めた。
兄が憧れていたサッカー選手になるのを目標にして。
その日以来、親は俺を空気として扱われた。
兄の墓に未だに親は行っていないんだ。
俺だけ毎年花を供えた。



