しばらく経って、笑いが収まったから和樹をちらっと見る。
和樹はぼーっとしながら、ほんの少しだけ赤くなってた。
最近、こんな和樹の姿をよく見かける。
私は和樹のそばに行って話しかけた。
「和樹?」
「………」
「ねー、和樹どうした?
またぼーっとしてるけど?」
「……!? 俺またぼーっとしてた?」
「さっき呼んだのに気付かなかった」
「あっ、わりぃ……」
「疲れてんなら保健室にでも行けば?」
「いや、平気だし」
「綾瀬くん、大丈夫? 音ちゃんがそういうなら行った方がいいと思うよ……」
話を聞いてた楓がすかさず、的確なことをいってくれる。
「本当に大丈夫だよ。ありがとね、沖田さん」
……なんだこの差は?
私と楓で全然扱いが違ってない?



