「翔、お前知ってたのか?
音羽が留学したってこと……」
「ああ、花火の時に聞いたよ。
自分から話すから言わないでって言われたから言葉通り黙ってたけど……」
俺何も聞いてねーよ。
「……和樹くん。もしかして最後の日じゃない? 音ちゃんと会ったって言ってたよね」
優しい目で楓が言う。
最後の日……って。
楓と勉強した日か?
「 今までありがとう!
これからも応援してよね!!」
脳裏に音羽の言葉を思いだす。
俺が驚くための時間を割けないようにしたからか?
早く楓のところに行かせようとしたのか?
おいおい、どこまで優しいんだよ。



