「音羽ー!」
すると、綾瀬がこっちに来た。
どうやら部活が終わったようだ。
と、今更気付く私。
「綾瀬お疲れ。……下の名前読んだんだね」
「……? 駄目だったか?」
「そんなこと言ってない。逆に呼んでもらえてうれし……何でもない」
危ない危ない。
今嬉しいって言っちゃいそうだった。
お母さんにも呼ばれてない名前を呼んでもらうのだから、慣れない。
「音羽って本当にギャップ激しいな。
大人しそうな感じでクールなのに全然違うしさ、意外に分かりやすい所とか特に!」
「何それ、ギャップって……」
「音羽も俺のこと名前で呼びなよ!
せっかく約束したんだからこれからも多分一緒にいること多いだろうし!」
「えっと、あや……違う。かかかか和樹!」
「か、多くね?」



