「分かった」
「じゃあ、約束な!」
私はためらいもなくうなずけた。
「お前の好きなピアノで1番取れよ。
あと、言っとくけど、俺はお前のファン第1号だからな」
「ありがと。…じゃあ、その代わりに、あんたも好きなサッカーで絶対1番取りなさいよ」
「あたりめーだ!」
「う、うん」
あんたの笑顔が私の胸を高鳴らせたのはこれが初めて。
あんたの笑顔でしばらく、一瞬でも孤独であることを忘れていた。
分かってくれた。
それが思った以上に嬉しい。
フワッ
と、背中の方に温もりが感じる。
「これ……あんたは大丈夫なの?」



