小さな約束





「ピアノ習ってんの?
もしかして、ピアニストになりたいのか?」


「……習ってたけど、もう諦めた。
ピアニストなれない」


「なんで?」



「……もう図々しいから帰って欲しいんだけど、私はあんたなんかと話したくもない」



うるさい。



それが今感じたこと。黙って欲しい。



「昨日のお前見て、俺と似てんなぁーって思った」



暴言吐いてるのにも関わらず、言葉を続ける。




「なんでよ? どこも似てないじゃない?」



でも、ほんの少しその答えが気になって。




興味本位で聞いてみた。




するとコイツは笑顔でこう言った。