~♪ 指揮者のペースに合わせてピアノを弾き始めた。 周りからひそひそ声が聞こえたけど、そんなのは気にしなかった。 ピアノがあんまりにも久しぶりで また弾きたいって思っちゃったから。 伴奏も終わるなり、みんなに質問責めされた。私はそれを全部答えといた。 その光景が1年生の時に味わった、コンクール優勝したシーンと重なった。 ─────ぽろっ 感動して、涙が溢れ出した。 私はカーテンの向こうで、隠れて涙を拭った。 またコンクール出てピアノ弾きたい。 そんな願いがこの時生まれたんだ。