隣にいた人、出席番号が隣だから……
綾瀬 和樹だった、はず……そいつに
「はっ? なんで私!?」
何故か私が推薦されたのだ。
「いいじゃん! テキトーだけど?」
イタズラ笑顔で話しかける綾瀬。
「泉さん、出来るの? ピアノ出来るのイメージが全くなくて驚いちゃって……」
先生が驚いた顔をして、私を見る。
……複雑、なんですけど。
イメージが全くないとか余計だけど……
ま、いっか。
綾瀬なんて隣で笑ってんし。
先生が言葉になんだかんだで傷付いた私。
綾瀬の挑発も合わせて、弾くことになった。
これが、和樹と初めて会話した瞬間。
最初の印象は最悪でしかなかった。



