小学校5年の時。
ようやく、優勝出来た。
だけどお母さんは無言で返され、また傷付いた。
お母さんはいつの間にか仕事も見つけて仕事人となり、私と関わることですら無くなってしまった。
私はいくら弾いても誰も……お母さんが見てくれないことに気付いた私はピアノを手放してしまったんだ。
ピアニストの夢をあきらめ、捨てた。
そこから、時があっと言う間に過ぎて、私は中学2年になった。
クラスに慣れないまま、12月を迎えた。
この期に及んでまだ友達が出来てなくて、退屈だった。
そんな時、音楽の授業であることが起きた。
合唱でピアノを伴奏する人が骨折したらしかったのだ。
小さい頃から絶対音感がある私は音階がわかってたけど、弾くのに抵抗があった。
先生が伴奏すればいい話だけど、楽譜がないから弾けないみたいなんだ。
「あの、推薦ならいるんですけど」
そう言って、指名されたのが、



