私の声が届いてないみたいで、お母さんは駆け足で階段を上っていった。


私も必死にお母さんについていくだけで精一杯だ。



着いた病室の前に名前が貼られてあったから背伸びして覗くと、



｢えっ……な、んで……？｣




お父さんの名前があった。


お母さんと私は病室に入る。



お父さんは酸素マスクがつけられてて、更にはたくさんのコードにつながれていた｡



看護士さんたちがお父さんに必死に声をかけながら、手を手間なく動かす。



えっ？　どうして……？



昨日まであんなに元気ピンピンだったお父さんがどうして？



まだ子供の私には何にもわからずただ立ち尽くしていただけだった。



お母さんは涙を浮かべて、手を合わせて祈ってる。



私もお母さんの真似をした。




けど