小さな約束






その対象が私だったらどんなに嬉しいか。



「和樹のばか……」



小さくささやいた。




和樹と2人きり。


登下校ずっとそうだったのに、何故か緊張してしまう。



いつもとは違う浴衣姿にドキドキする。



「なぁ、沖田遅くない? 俺、探そっかな」



「言われてみれば、遅いね。私探すよ!
和樹はみんなのこと待っといて」



「俺も行く!」




「いい。ここに後で白坂も来るんでしょ? 1人ぐらいいないと心配されちゃうよ?」



「そっか、じゃあ任せた」



その言葉をしっかり聞いてから楓を探した.





「あっ! いた! どこにいたの?」


「もしかして捜してくれてた? ごめんね」


「楓が無事で良かった。……あのさ、花火まで時間まだあるし、ちょっと話さない?」


「うん。全然いいよ! 場所変えよっか」