「音ちゃん、すっごく綺麗で大人っぽい!」 「あ、ありがとう! 楓もすっごく可愛い! 和樹も惚れちゃうよ!」 「ばか……! そんな訳ないでしょ!」 「ふふっ」 楓の浴衣はピンク色で紫陽花の花がプリントされてて、アクセントに黄色のボタンが髪に付けている。 綺麗より可愛いという感じの楓にはぴったりだ。 和樹を盗み見する。 ついつい視線が暇さえあれば和樹に向いてしまう。 やっぱり楓の方に向いていた。 「音羽」 「和樹……似合ってんじゃん。 楓が振り向くかもしれないよ」