あまり和樹に物を奢ってもらうのは無いんだ。
奢ったときは後で私からもお礼で何か買うんだけど。
「音羽? ぼーっとしてんぞ。帰るぞ」
後で何買おっかな。考えておこう。
「音羽? どうした?」
「えっ……? 何でもないよ!
ごめんごめん。行こっか!!」
すると和樹は私のおでこをそっと触れる。
「……!// か、ずき?」
ボンっていう効果音があるかのように顔が真っ赤になってくのが自分でも分かる。
「良かった。熱ないな。
音羽顔赤かったから、心配した」
「はっ? 私があるわけ無いじゃん!
余計なお世話だし!」
「相変わらず素直じゃないことで。
たまにはありがとぐらい言えよ」
「さっき言ったし」
「おいおい。ま、いっか。行くぞ」
「うん!!」
和樹と隣になって歩く。



