何かと明るい先輩たちと別れて和樹と2人で家まで歩き出す。
「音羽、今日はありがとう。応援嬉しかった。俺、沖田さんにかっこいいって少しは思ってくれると思う?」
両想いなのにお互い自覚なし。
私と気持ちも察しもせず、ほんと鈍感。
だけど、和樹の笑顔を見るためだから。
「うん! 私もかっこいいって思ったんだから楓もかっこいいって思ってくれるよ!」
「やっぱ音羽には感謝しきれないよ」
和樹は嬉しそうに呟く。
和樹の笑顔を見るためだ。堪えなきゃ。
「そりゃそうだよ。約束だからさ」
そうだよ。私と和樹はただ夢の叶えるために互いを支えるって約束した関係。
和樹が楓と付き合ったら、支える人が楓になる。いずれにしても、私は留学するから、そうすると楓に支えてもらわないと。
「楓と今良好?」
「いや。まだ完全には……あっコンビニ。
ちょっと行ってくるわ」



