前半は同点になることもなく、1対0のまま終わってしまった。




和樹はとっても悔しそう。


「頑張れー!!
まだこれからだから逆転狙って!!」



周りの人は私をみてギョッとしたけど、
もう、どうでもいいの。




「かっこいいとこ見せるんでしょ?
1点ぐらい気にすんじゃないわよ!!」





私の叫び声が聞こえたのか、和樹がこっちをじっと見つめる。



和樹にそんなに見られると心臓が悪くなりそうだけど、顔に出ないように必死に抑える。


和樹は親指をたてて、それを私の方を見ながら掲げた。



応援ありがと。絶対勝つから。



和樹を見てなんとなくそう言ってるように思えた。