「なっ……! 違うから!」 「顔に出てるわよ。本当に可愛いわね」 「私のどこが可愛いの!? 意味分かんないんだけど!」 やっぱり顔に出るって言われるなら、和樹とか楓にバレちゃってるかな? 和樹は鈍感だしさすがにないか。 「……ってそんな暇ない! 早くドイツ語勉強しないと!!」 私は急いで家に帰る支度をする。 「ありがとうございました!」 「気をつけて帰ってね」 大月先生は私が角を曲がるまでずっと手を振り続けてくれた。