【短編】*甘情メランコリー*




黒かった髪は茶色くなって。

服も垢抜けてお洒落になって。

いや、水樹は元からお洒落だったか。


アクセサリーなんか付けちゃって、東京の人みたいになっちゃって。






「…なんで、いるの」



そんな言葉しか出てこないこの口は、いくらグロス塗ったって可愛くない。



「お前こそ何その格好」

「…水樹こそ」



「なに、俺がいなくなってから好きな男でもできた?」




険しい表情の水樹に、じわりと目に涙がたまる。

なにそれ、なにそれ。






「やめれば?全然似合ってねえし」




わかってるよ、そんなの……。



ぽろ、と溢れた涙に、一瞬ギョッとする水樹。



私が水樹の前で泣いたことなんて無に等しいから、焦ってる。