【短編】*甘情メランコリー*





次の日は、憂鬱で。

憂鬱だからこそ、髪を巻いた。


いつもはひとつにまとめてしまう髪を下ろして、巻いて。

いつもはマスカラとグロスくらいしかしない化粧も、気合を入れてフルメイク。

スカートもいつもより一段多く折った。




これで何が変わるわけじゃない、ただの東京の女の子の真似。


こんな格好したって、そんなこと水樹は気付きすらしないんだけど。





学校のみんなにはかなり好評で、かわいい、なんて珍しく言われて。


少しだけ気分が上がって、家に帰ろうとした通学路。







「おい」






新幹線で片道5時間。


遠くに引っ越したはずの水樹がいた。