【短編】*甘情メランコリー*




すぐにかかってくる水樹からの電話に、出れない。


しばらくして鳴り止んでは、もう一度かかってくる。

光る画面に、じわりと涙が滲んだ。






水樹は、面倒な女がいちばん嫌いだ。



だからこうして電話に出ないのも、彼の好感度を下げてるかもしれない。


私はサバサバしてたから、男友達みたいに接してたから、そんなところが好きだって言ってくれたから。



醜い嫉妬なんて、水樹は望んでない。


会いたいって言葉だって、寂しいって涙だって望んでない。



ここは電話に出て、何も気にしてないよって笑うのがいちばんベスト。



長年付き合ってきた私には水樹にとって都合いい判断ができる。



……でも。

嫌だ、そんなの。

そんなの私、なんのために水樹と付き合ってるの?



……そもそも水樹はまだ、私のこと彼女だって思ってくれてる?



水樹も少しでも、寂しいって思ってくれてた?