【ごめん、今日行けなくなった】


それは、花火大会当日の朝、藤山から届いたライン。私は理由を聞くために、すぐさま電話をかける。


『もしも……』


「なんで今日行けないの!?」


『……熱出た』


へ?


「熱?大丈夫なの!?」


『なんとか。でも、今日はゆっくりしたいから、ごめん。花火大会行けない』


藤山は、熱が出たとのこと。そりゃ、病人を無理やり花火大会に連れて行くなんてことはしないよ。


『それでさ、大丈夫?』


「なんで藤山が私の心配をすんの?私は大丈夫だよ」


藤山と一心同体だってわけじゃないし、藤山が熱が出たからって私も出るわけないじゃん。


『花火大会の話ね』


「え?」


『浴衣着るって張り切ってたから。行く相手いるかなって』


そうじゃん。私、誰と行くの!?


「い、一華ちゃんに声かけてみる」


『そうだね。あ、お見舞いは来なくていいから』


「行くよ!だから、家教え」


『うつるから嫌だよ。じゃあね』


そして、そのまま切られた電話。