「ギャーッ!!!」


2ー2、私の教室から女子の悲鳴が響いていた。


『う〜ら〜め〜し〜や〜』


「キャー!来ないでっ」


そう言って遠ざかる足音に笑みがこぼれる。裏手に戻り、小声で一華ちゃんへ話しかける。


「一華ちゃん、私幽霊のセンスあるみたい」


「予想外の出来だね。よし、次はあたしか」


私と交代で一華ちゃんが持ち場へ向かった。


今日は文化祭。


私達のクラスの出し物は、お化け屋敷。他のクラスとかぶったものの、委員長がじゃんけんで勝ち抜き、見事お化け屋敷を実行できる券を獲得したのだ!


いつもはお客さん側だから脅かすのが楽しみで、準備も楽しくできた。


そうそう、テストもねなんとか赤点にならずに済んだの。きっと、今までで1番よかったってくらい私にとっては好成績で、家族も涙を浮かべて喜んでくれたくらいだ。


どこからかまた悲鳴が聞こえる。一華ちゃんも上手くやっているみたいだ。と思っていると、白いワンピース姿でおばけメイクをした一華ちゃんが帰ってきた。