誠狼異聞―斎藤一、闇夜に駆けよ―



「聞いてくれよ、斎藤。俺はさ、試衛館の頃はおまえや沖田に負けたくなくて、必死で強くなろうと足掻【あが】いてた。


でもな、京都に来て、場合によっちゃ人を斬るようになって、何やってんだろうって思うことが増えてたんだ。


何のために、俺、ここで剣を振るってるんだろうって。人斬りと呼ばれてまで、俺が成し遂げたいことって何なんだろう。ずっと答えを探してたんだ」



「答え? 成し遂げたいこと?」