誠狼異聞―斎藤一、闇夜に駆けよ―



「模擬戦の御提案、謹んで御受けいたします。機会がありましたら、ぜひに」



「今の言葉、忘れるでないぞ。機会は、待つのではなく作るものだ。必ず都合を付けるゆえ、おぬしは怪我や病気をせず、模擬戦に備えておけ」



「はっ」



「斎藤だけではない。新撰組の皆には健在でいてもらわねば、儂が困る。それは無論、局長の近藤の身の上も含めてのことだ。


近藤には、この松平容保が責任を持って、話をする。局内の不満や不和には必ず対話で以て向き合うようにと、儂が近藤を説得する。


だから、おぬしらには今少し、時間を融通してほしい。儂と近藤に、話をするための時間を許してほしいのだ。儂の願い、どうか聞き入れてくれ」