斎藤が容保公と対面したのは、これが初めてだった。
三十を超えたばかりの容保公だが、青白く痩せた顔と線の細い体つきは、いっそ少年のように見えた。
一方で、涼やかで端正な目元口元に浮かぶ笑みは、人生を達観した老人のようでもあった。
「何があったのだ、新撰組? 申してみよ」
会津訛りではない。
斎藤が想像していた通りの、柔和な声音と堅実な口調だった。
永倉と原田が交互に口を開き、新撰組を取り巻く状況の急変と近藤の態度に対する弾劾を述べた。
話を聞き、非行五箇条の書面に目を通した容保公は、一つ、深くうなずいた。



