永倉の言に、原田も首肯【しゅこう】した。
「近藤さんは俺たちの前に立って、俺たちを引っ張る人だ。そいつはみんながわかってる。ただ、俺たちの上に立つってのは話が違うでしょう?
局長だ副長だ総長だと肩書が付くのは、似合いの役割を振ってるだけで、あんたが一番偉いと言ってるわけじゃあねえ」
近藤は、そんなつもりはない、と短く否定した。
腰巾着のように近藤に付いて回る武田観柳斎が、
近藤局長は幕臣として公方【くぼう】様にも期待されているのですから武士として堂々となさるのが正解なのです、
と妙に確信的に言い放った。
土方が冷えた目をしていた。
武田もいずれ俺が斬ることになるのかと、斎藤は直感した。



