火災を免れた二条城で幕臣の集まりがあるからと、身なりを整える近藤の姿を見ながら、斎藤は違和感を覚えた。 そして、明確な意志を持ってしまっている自分に気付き、すっと喉が干上がるように感じた。 このところ、何かにつけて考え込んでいる。 よくない傾向だ。 考えるのは、斎藤の担うべき役割ではない。 理念も思考も感情も、走狗である斎藤には不要だ。 余計なことを考えるな、思うな、感じるな。 見るための目と聞くための耳が鈍るようなことをしてはならない。