伊東を殺した後の手筈は、既に打ち合わせてあった。
深夜を回っても伊東が帰投しない場合、御陵衛士は仲間内の規則に従って、団結して伊東を探しに来るはずだ。
新撰組はそこを迎え打って、御陵衛士を一網打尽にする計画である。
永倉の指示で、伊東の遺体を油小路七条の辻へ運んだ。
七条沿いは比較的明るい。
ぼんやりとした闇の中に転がされた遺体の血は、夜半過ぎの冷気によって、たちまち凍った。
「本当にあいつは来るのか?」
白い息を吐きながら、永倉が呟いた。
あいつとは、ほかの誰でもなく、藤堂のことだ。
斎藤の耳には、来るな、と永倉が願っているように聞こえた。



