「山南さんの死によって、私は、決して己の進む道を曲げぬ新撰組の気性を深く理解したように思う。
新撰組は、刀を取り、人の命を奪ってでもその道を進もうと決めた男たちだ。であればこそ、曲げられぬ己がこの先へは進めぬとわかったとき、命を懸けて、道を阻む者と相対する。
それが人斬りの重罪を背負う新撰組の覚悟であり、士道であるのだ」
自分の目で確かめた新撰組の士道を語る伊東の口振りは、普段の明朗快活な論調とは打って変わって、ひどく沈鬱だった。
後悔交じりの伊東の言葉を、斎藤は五条橋東詰の長円寺で聞いている。



