反対言葉。

月日は流れ。


提出したレポートは無事怒られずに済んだ。


わたしは志望を経済学部に決め、高良さんと同じ大学に通うべく、奮闘している。


あれから高良さんは何かあると一言くれた。


こういう授業があって面白かった、とか、無名だけど実はこんなサークルがあって案外楽しい活動をしている、とか。


頻度はまちまちだったし、ときどきあの教授は嫌なやつだ、みたいなしょうもないものもあったけど、少なくともわたしが某大学に魅力を感じる手段になったのは事実だ。


模試も必死の勉強の甲斐あってか、A判定は取れないけど、なんとかB判定は取れるようになった。


進路相談でも褒められて、自信がついたある日、わたしは突然Cを取った。ほぼDに近い、Cを。


理由は分からない。いつも通りに勉強して、いつも通りに解いたはずだった。


「いけるとは思う。でも、不安ならやめた方がいいかもしれない」


今まで頑張ってきたんだ。よく考えろ。


担任はそう言ってわたしの相談に対する返答を締めくくった。


大丈夫、きっと立て直せる。これから頑張ればあるいは。


そんな言葉なんてわたしの耳を素通りして、全然頭に入ってこない。


だって、慰めにしか聞こえない。頑張ればって、オープンキャンパスの日からずっと、思いつくかぎりのできることはしてるのに?


どうしたらいいか、もう、分からなかった。