思わず二人の間に割って入る。

「二人とも、やめて」

「何をやめろってんだァ?」

会長のその声は、やっぱりいつもよりも怖いと感じてしまった。

しかしそれでも引き下がるつもりなどさらさらない。

だってもう、選んだから。

「俺は会長と取引したから。これは裏切りだって、わかってる。でも、俺は……」

すうっと息を吸えば、バクバクいう心臓で肺が痛かった。

「俺は祐一郎が大切なんだ」