それはひどくノロく見えて、そのくせ自分の体は動いてくれなくて。

逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ……

それは初めて感じるような恐怖。



「沙耶香ッ……!」



聞こえたのは、祐一郎の声。

そしてドンッと突き飛ばされる。

車が目の前をバッと通り、俺の意識は消えていった……