「さーやーか!」

早ッ!?

場所、言ってねぇよな?

一分かかってなくね?

つぅかその前に……

「麻里奈、俺は、み・つ・や
沙耶香じゃなく光也」

ああそうだった、とでも言いたげにうなずく麻里奈

……呼ばない方がよかったかもしんない

いつボロが出るのかわかったもんじゃない

「……それで、どうした?」

地味に話そらしてるっぽいけど今は許そう

「……って、ん? なんだこの男ども」

「ここ移動したいんだけどなんか動けなくて……さ?」

ん? んんんッ?

いきなり握り拳をつくって戦闘態勢に入る麻里奈を見て嫌な予感……

「……ねえ
まさかだけどこいつら……」

殴るつもりじゃないよな?

俺が言葉を最後まで発しきる前に

「お前ら何沙耶香のことジロジロ見てんだよ」

麻里奈が怒りを押し殺したような声で言った。