……と俺が頭を抱えていた時だった。

後ろから聞き慣れた声がしたのは……



「なにやってんだ?」

「祐一郎!」

タックルするように飛びつく。

「なんだよ!?」

「助けて、麻里奈が……」

「麻里奈……ってあいつ来てんのか?」

そういえば祐一郎に教えてなかったな。

「うん。でも麻里奈が……」

『傷害事件を起こしそうなんだよ』と続けようとしたが、当の本人に遮られる。

「……祐一郎」

驚くほどに低い声。

あー、今まで忘れてたけど……麻里奈『祐一郎殺す』っつってたっけ……