あいは、少女を見ると笑い出した。

「夢なんだ…全部夢なんだ…」

少女は無言で瞬間移動したように、あいにすがり付く。

少女とあいは一瞬目が合う。

少女の顔が、あいの目線から離れて左の眉の傷に吸い付いた。

ちゅうちゅうと吸われる。

何を吸われているのか、あいには理解出来なかった。

体の奥から虚無感?脱力感?みたいなものがやってくる。

もうどうでも良い。

目の前が金色に染まって行く。

「これが終われば目が覚めるんだ…」