若さんは俺の両肩を掴んだ。
「俺たちはあんなクズみたいな組と同じ事は絶対しねぇ。神にだって誓ってやる。お前の素性は後々聞くとして、夢月。」
「………」
「俺たちの家族になれ。お前のその死んだ心、取り戻してやる」
俺の、死んだ心を取り戻す?
「無理、だよ。あんたには」
「…………」
眉間に皺を寄せる若さん。
「俺、家族要らない。海が居ればそれだけでいい。」
「海?」
「俺の、大切な片割れ」
思わず頬が緩む。
「なんだお前。無表情以外にもそんな顔出来んじゃねぇか。まぁ家族要らねぇっつても無理だな。俺様の意見は絶対だ。その内家族欲しいって思うかもしれねぇじゃん?だから思う前になっちまえ。いいな」
「……若さんウザい」
どこのジャイアンだよ。
「若さんってやめろよ。俺はお前の兄ちゃんになるんだ。特別にお兄様って呼ばせてやる」
ドヤっとした顔で言い切った若さん。
「若さん」
「お兄様」
「若さん」
「お兄様」
「若さん」
「しつけぇな。じゃあ翔。それで許してやる」
「………………………………………翔」
「なんだ今の長い間」
「別に」
面倒くさいから折れた俺。
普通歳上が折れるものだよね。普通は。


