美佐子は支度を済ませ、足早に病院へ向かっていた。


「遅くなって、また叱られるといけない。早く済ませてしまわないと」



紙袋に入れた頼まれ物は損なってはいけないと両腕に抱えてこんでいる。


病室へ入ると、美佐子を見つけた義母が急かすように両手を伸ばして、手招きしている。