美佐子は抽出した記憶通りに着替えを紙袋に詰めて、病院へ向かった。 「お義母さん、お加減はいかがですか?着替えを持って来ました」 「おや、美佐子さん。今日も一人かい?」 「えぇ、平日ですから……」 「それにしても、息子も孫も顔をさっぱり見せに来ないねぇ」 いかにも嫌味を含んだその表情には、年季の入ったものを感じる。顔に刻まれた皺のせいだけではなさそうだ。