いつもより、遅い時刻になってようやく美佐子はいつも通り帰宅した。 中学に上がったばかりの息子は食べ盛りの年頃だ。 遅くなった母を心配するよりも、夕飯の催促のほうが優先した。 「今日はカレーにするわ」 「なぁんだ、カレーか。とにかく腹減ったから、早くね」